JSP方式スピーカーを作る
ネットサーフィンでJSP研究所を知りました。
JSP研究所のホームページから引用。
JSP研究所 ( jsplab ) は、一人で手軽に持ち運びが出来る大きさで、今まで聴く事の出来なかった未体験の重低音 (超低域の再生音) を表現しようという目標を実現する、エンクロージャーの常識を覆した極めてシンプルな構造の小型 (中型) 高性能スピーカーシステムの開発に成功致しました。
これを作って聴いてみたい。先日スピーカーを作ったところなのに、もう次のスピーカーを作りたくなりました。
とゆーわけで、今回は手持ちの古い25mm杉集成材を使うことにしました。材料は25x500x1000mmが2枚です。
ホームセンターで買った木材ではないので、ホームセンターではカットしてもらえません。鋸を新調しました。手鋸でチャレンジ!
鋸と素人の味方ソーガイドで切断開始。予想通り、 すぐに腕が悲鳴をあげる。休憩ばっかりで進みません。
なんとか切れましたが、完全にまっすぐではない。当たり前か。
カンナで修正しますが、集成材は木目が複雑なのでカンナ掛けは要注意です。
と、ここで驚くべき事実に気づいた。切る前の板材は直角が出ているものと決め込んで、元の角を基準に墨をして切ったら、なんと直角ではなかったのです。
やりなおしや・・・
当初の予定では、スピーカー1セット当たり、
板厚25oで内寸が210x210x290=12.9リットル。
260x340・・・2枚
210x340・・・2枚
210x210・・・2枚
の予定だったのに、1セット目を切り損ねたので、変更するはめに。
そしてこうなりました。
板厚25oで内寸が220x220x260=12.6リットル。
270x310・・・2枚
220x310・・・2枚
220x220・・・2枚
木取図。
半日かかってやっとの思いで、たった4枚を切り出しました。
この集成材は手に入れてから使い道がなく5年ほど放置していました。乾燥したり湿ったりを繰り返したのでしょうか。鋸で切っていたら、「ピシッ!」と音を立てて割れました。 音に影響があるでしょうけど、このまま使います。集成材を柱に使っている家もあろうかと思いますが、強度はどうなのでしょうか。
割れているのがわかりますか?
仮組してみます。
バスレフポート(ダクト)には水道管を使います。塩ビ製ユニオンソケット(積水化学工業 TSUS25)です。サイズは内径25mm、外径32mm、長さ100oでフランジがあります。穴あけの精度が出ないと思うので、このフランジでごまかそうとする魂胆。色は黒っぽい方を選びました。
端材で穴あけの練習をしてみました。
穴を開け終わった板にスピーカーとバスレフポートをはめてみました。 スピーカーは、HiVi B3N メタルコーン8cmフルレンジ。 見た目の良さで選びました。
こちらは、TangBand W3-881SI PPコーン8cmフルレンジ。 安かったので予備として買いました。これがやがて役に立つことに・・・
上と同じスピーカーを45度回してみました。印象が違いますね。
翌日に続く・・・
翌日、仕事から帰って、風呂に入ってご飯食べて酒飲んで、作業していたようです。記憶があいまい・・・・・・
さらに翌日、朝起きるとこの状態に。記憶がはっきりしないのですが、ボンドで接着作業をしたようで。しかも4枚を一度に。
構想では1枚ずつボンドで貼ってゆくつもりだったのに、酒飲んで作業したものだから、こんなことに。
しかし、酒の力を借りて、一気に作業が進捗しました。
凹みを発見。そいえば、接着のゆがみを矯正しようとして、プラハンマーで叩いたような記憶が・・・酔っぱらいのすることは大胆です。
10年位前に、「プロの職人から椅子作りを学ぶ」内容の本を読んだのですが、木が凹んだときは水で戻すと書いてあったような。
ということで、やってみることにしました。ティッシュを水に浸けて、パックしました。直りますように・・・
・・・半日待つ・・・
仕事から帰って、水パックが効いたようで、かなり戻っていました。
側板を接着する面を120番の紙やすりで均す。
側板をつけるためにボンドを塗ります。
側板を付けて、クランプで固定。このクランプも「無い無い日曜大工へのお誘い」をみて作りました。 とても助かっています。感謝。
丸棒に木工ボンドで紙やすりを貼って、輪ゴムで固定して一晩置いた自家製丸やすり。
これで穴の内側を削ります。
板の継ぎ目は120番と240番のサンドペーパーで仕上げます。
3面を接着した部分。ほぼ平面になりました。
集成材のアップ。集成材を構成している板もまた集成材だったりして。
高いところに印を付け、カンナを掛けます。
このターミナルを使います。もっと安物のバネで挟むタイプでもいいような気もします。
裏板にターミナル穴をポンチします。
これが見た目でえらんだHiVi B3N メタルコーン8cmフルレンジ。
箱にはめてみました。
側板をクランプで締めて、視聴してみます。
あらら??
なんか希望していた音色と違う。音量は小さいし、低音もでていない。
ボーカルも不明瞭で聞き取りずらい。
前回作ったQWTスピーカーの方が断然音が良い。音の響きが違います。
ポートを継ぎ足したり、吸音材を入れてみたけど、ダメ。
ちょっと気分転換に散髪屋に行ってきました。
そして、気づきました。たぶん、これや!
メーカー指定のバッフル開口径71mmに対して、スピーカーのマグネット径が68oなので、バッフルとマグネットの隙間がほとんどありません。隙間が無いので、スピーカー背面の空気の流れが悪いに違いない。
確かに、ぎちぎちですな。
真後ろからみるとこんな感じ。
メーカーの図面に25oの板を書いてみました。スピーカーが悪いわけではなく、わたしの確認不足でした。 このスピーカーは板厚15o位までがよいと思います。B3Nは、また次の作品に利用することにします。
裏からみた写真。左がHiVi B3N、右がTangBand W3-881SI。HiVi B3N は磁石が大きいです。
デザインで選んだHiVi B3N でしたが、あっさり諦めて、予備に買っておいた TangBand W3-881SI に変更します。
TangBand W3-881SI 用の穴を開けなおす。
W3-881SI はフランジが1oほどの厚さしかなく、バッフルの加工がシビアでしたが、なんとか収まりました。
視聴してみました。
おおっ!さっきと全然ちがうやん!
低音が出てる出てる♪♪
1個980円のスピーカーとは思えない音です。苦労した甲斐がありました。
ここからは、2台目のスピーカーと同時に進めるため、2台目の進捗を待ちます。
********** スピーカー2台目 **********
次にもう片方のスピーカーに取り掛かります。
脚を付けて押入れの棚にしていた板を引っ張り出しました。荷物の重みでたわんでいるかもしれません。
脚を切ります。
脚がなくなった杉集成材25mmx500mmx1000mm。
余計なことしなければよいのに、何を思ったか、脚をハンマーで叩いたら板が割れました。コニシ木工ボンドの強力さを証明しました。これで、さらに木取が困難なことに。
確認のため、加工前板の直角を測ります。300oで3o違っています。この角は使えません。
前回は加工前の板の直角を信用して痛い目にあいました。素人のわたしが曲尺で引いた線もあやしい。ということで、方眼紙登場。
方眼紙に書いた線を板に針で写し取ります。
それでもうまく寸法が出ません。鉛筆でなぞるときにずれているのかな。
対角線を測ることにしました。この方法でかなり正確に墨をできることがわかりました。
墨だしが終わった板。
ソーガイドを使って切ります。横引きは割と楽です。
おおむね真っ直ぐに見えます。ソーガイドなしでは、こうは切れません。
横引き鋸なので、縦引きはしんどい。細かい粉ばかり出て、なかなか削れません。
カンナで修正。
スピーカー1セット分の6枚の板が取れました。ホームセンターのパネルソーなら10分で終わる所を半日かかりました。 まあ、これも趣味の楽しみのうちと思って作業を進めます。
箱2台を並べてみます。並行して作業しているので、左の箱は完成していません。
クランプで締めて、寸法の狂いを確認しています。
バッフルに穴を開けてみました。大雑把に開けてヤスリで調整することにします。
側板2枚を接着しました。写真の下の板と右の板です。左の板はクランプの支えに使いました。
板が反っていなかったので、きれいに突き合わせることができました。
翌朝、クランプを外しました。きちんと直角が出ています。
前面の板を貼りました。がんじがらめです。
0.5mm〜1oほど高いところがあったので、カンナで修正します。
歪んでずれていた場所にクサビを打ち込みます。
天板を止めるボンドを塗ります。
2台ともすべての板を接着しました。
欠けているところにウッドパテを盛ります。
ウッドパテを盛った後。
2台のスピーカーボックスができました。
この後は塗装をしてゆきます。
コーナンへ塗料を買いに行きました。透明水性ニスで仕上げることにしました。油性ニスを使いたかったのですが、室内での作業を考え水性に決めました。
和信ペイントの水性ニス300mlが約1000円、コーナンブランド水性ニス180mlが400円でした。パッケージがそっくりなので、おそらく和信ペイントが作ってコーナンが販売していると思います。コーナン水性ニス180mlを2本買いました。
ニス1回目。240番の紙やすりで整えて、少し水で薄めたニスを塗りました。
ニス2回目。400番の紙やすりで整えて、少し水で薄めたニスを塗りました。
ニス3回目。400番の紙やすりで整えて、少し水で薄めたニスを塗りました。
2時間くらいで乾燥するので、作業性は良いですし、べたつくこともありません。12時間空けて塗り重ねをしました。ピカピカの光沢というより、半光沢仕上げになりました。あまり粗が目立ちませんし、わたしの好みです。
と、ここで問題発生。中華アンプ Lepai LP-2020a+ の片チャンネルから突然音がしなくなった!
Amazon のレビューで購入前からある程度不良品があることを知っていましたが、悪い品物に当たったようです。コンパクトで音が良かっただけに残念。
Amazon へ返品し、つぎのアンプを購入しました。Lepai LP-V3 25W*2 またまた、Amazonで中華アンプの購入です。懲りてない!
スピーカー端子をハンダ付けします。バイスプライヤーで挟んで付けました。端子とコードを固定できるし、余分な熱をプライヤーが吸収できる利点があります。
半月かけて完成しました。
わたしの耳では良い音に聴こえますが、客観的に判断するためにスピーカー測定ソフトを使って、特性を調べてみました。
測定結果はこちら↓