友だちから修理の依頼がありました。
「パソコンの調子が悪いので、ケースを開けてみた。中がホコリだらけだったので、分解掃除をした。CPUクーラーを外そうとしたところ、CPUも一緒に抜けてしまい、CPUのピンが数本曲がってしまった。曲がったピンを真っ直ぐに伸ばしたら、そのうちの1本が根元から折れた。パソコンは起動しなくなった」
なかなかのチャレンジャーですな。
問題のCPU AMD Phenom X4 9650。高級機です。いつもセレロン使いのわたしには高値の華です。
上の写真の拡大。根元からポッキリ逝ってますな。
「CPUピン折れ修理」でググってみたら、強者ども発見。すごいわ、この人たち。
参考にさせていただきました。
友人の許可を得て、修理を試みました。
CPUピンと同じ太さの導線を探したら、カーボン抵抗の脚がCPUピンと同じか少し太いくらいでした。カーボン抵抗の脚がマザーボードのソケットにはまったので、CPUに半田付けすることにしました。
長年のアルコールが祟ったのか、細かい作業をしようとすると、どうも指先が震えてうまくいきません。
抵抗の導線の先に半田を少し付けて、CPUのピンが折れたところにも半田を少し付けて、双方をくっつけて、震える指先で半田ごてを当てました。
なんということでしょう。震える半田ごてが偶然にもピンポイントに当たり、一発で引っ付いたではありませんか。引っ張っても外れません。奇蹟だ。
ニッパで先を切りました。
上の写真の拡大。修理したピンは少し太いくらいかと思いましたが、写真でみるとかなり太いですね。他のピンもけっこう曲がっています。曲がり具合がムーミンのニョロニョロを彷彿させました。
CPUをはめました。ピンがニョロニョロ曲がっているので、けっこう固い。正常なCPUならスポンとはまるのだけど。無理やり押し込んでみました。
起動ボタンを押したら、あっけなくBIOSが立ち上がりました。
直ってよかったです。
余談ですが、 30年くらい前に、京都に中古ラビット(富士重工のスクーター)専門店がありました。烏丸御池あたりだったでしょうか、住所は思い出せません。ですが、そこの主が言った言葉 を思い出しました。
「エンジンが調子ええ時はな、なぶったらあかんで」
京言葉 : なぶったら=触ったら。いじくったら。
要は「必要以上にいじくり回すな」とゆーことでしょう。1980年当時、すでに廃盤となっていたラビットを修理して売り続けた主の経験から出たであろう重い言葉です。
2013/11