JBL Control1 を修理する
25年程前にペアで5万円くらいで買ったJBL Control1 があります。
ウーファーのコーンエッジが風化してボロボロで、まともに聴けない状態でした。ネットで調べると修理している人が多数いたので、わたしも修理することにしました。
ネットを外すと、エッジがボロボロでした。掃除機で吸うとエッジはなくなりました。
殻を割ります。ヘックスレンチを使って、前面6本のボルトを外します。
前後2分割のハウジングは接着剤で着いています。ドライバー等でこの部分をこじって殻を開きます。ウエス等を噛ませると傷付きを防げます。けっこう固いです。
ウーファー(赤黒)とツイーター(青黒)の平型コネクタを外します。ウーファーは右(赤)がプラスでした。ツイーターにはプラスマイナス表示が見当たりませんでしたが、右(青)がプラスです。分解時に写真を撮っておくと便利。しかし何とも簡単な構造ですね。大量生産向きです。25年前に二つ5万円で買った正体がこれです。
アッテネーターのガラス管は何だろ?
プラスドライバーでウーファーのネジを緩めます。ドライバーを滑らしてコーンに穴を開けないように注意。
ネジはボルトナットになっていて、裏からナットにボンドがねっちょり着いています。ネチャネチャです。
これでもかと接着剤が着いていて固いです。磁石を持って思いっきり引っ張ります。25年も経つのにこの粘着力!
取り外したウーファー。磁石がでかい。
ここからエッジの自作に入ります。
手持ちの直径10mmバックアップ材を使い型を作ります。後から考えると、直径8oのバックアップ材の方が良かったと思います。
輪を作るために、手持ちの合釘を使いました。
バックアップ材に合釘を差し込みます。
スピーカーに合わせて輪を作ります。この輪の大きさが肝です。わたしの場合、輪が小さすぎて後々苦労しました。エッジの厚さを加算して、スピーカーより片側1o大きい輪を作るとよいかと思います。バックアップ材も一回り細い方がよかったです。
バックアップ材をカッターナイフで半割にします。
百均で買ったPPシート。この上で作業します。
コーンエッジは色あせた綿100%の古Tシャツ。古いのは良いが、皺だらけがまずかったです。アイロンで伸ばしてから使えばよかったです。
PPシートにスティック糊を塗り、半割バックアップ材を貼りつけます。
適当にカットしたTシャツを乗せて、貼り付けます。
黒色のシリコンシーラント(200円)を瓶に絞り出します。
ペイントうすめ液で50%に薄めます。臭いがシンナーとは違うような。どちらかというと、油絵の具のうすめ液に近い感じです。
ラッカー系ではない溶剤でしたが、溶けました。いいかげんです。
小さい刷毛でペタペタと塗ります。少し粘度が高いような・・・
塗った後で気が付いたののですが、型に密着しやすいように最初から布の真中を破ればよかったです。
2時間ほど扇風機を当てて乾かした後、2回目の塗装。布切れが自転車のチューブみたいな感じになりました。
ちょっと写真が悪いですが、コーンの裏にエッジの残りかすがびっしり付いています。これを取らないと接着剤が効きません。
棒の先に溶剤を染み込ませた布を巻いて、エッジの残りかすを取り除きました。
きれいになったコーン紙の裏面。
コーン紙の周囲にはみ出したエッジをハサミで切り取ります。
ガスケットをカッターナイフで取り外しているところ。ガスケットもまた接着剤が貼りついています。
ガスケットはところどころ破れましたが、再利用します。
コーンエッジを入れて、ガスケットを乗せてみました。エッジがベコベコして汚い。最初の型の寸法が悪いためです。最初からやり直すのは邪魔くさいので、このまま作業を進めます。
スピーカーフレームの周囲にもエッジやらガスケットやらの残りかすがボンドと一緒にへばり付いています。
溶剤とヘラを使ってこそげ落とします。
シリコーンゴムが着く接着剤を使います。わたしはセメダインSuperXを使いました。
フレームとコーン紙の間にエッジを差し込みます。綿棒の先に接着剤を付けて、コーン紙の裏に塗ってゆきます。夏場で10分くらいで硬化が始まるようです。
フレームに接着剤を塗り、エッジを貼り付け、エッジの形を整えます。
洗濯バサミで押さえます。
フレームのビス穴がエッジでふさがっています。
カッターナイフとハサミを使い、カットしました。
分解の逆順に組み立てて完成。エッジがベコベコしています。
ネットを被せたらベコベコエッジは見えないので、気にしない気にしない。
わたしが作ったどのスピーカーよりも音が良かったので、驚きました。音に濁りが無く、低音もあります。さすがはJBL。おみそれしました。
余り物ばかりで作ったので、今回の出費は300円でした。
2013/08