なんでも修理室

 


オンキョー Integra A-808


旧友が寄贈してくれました。

ONKYO Integra A-808

http://audio-heritage.jp/ONKYO/amp/integraa-808.html

 

旧友の説明では、次の症状があるとのこと。

 

ボリュームなどのつまみはイモネジ止めか、差し込みなので、簡単に外れます。

 

電源ボタンを押しこんでも、Powerランプが点きません。

 

接点復活スプレー(600円程度)を綿棒に付けて、スピーカー端子をゴシゴシしてみました。端子はピカピカになりましたが、音の変化なし。

 

「B系統のスピーカー出力がない」と「Powerランプが点かない」は無視するとして、「ボリュームのガリ」は何とかしたい。ボリュームを激しく回転させているうちに、ガリは小さくなってきました。

 

安物レコードプレーヤーを接続して聴いてみました。音がこもっています。高音が出ない。左チャンネルの音量が小さい。大きさ重さは左のLepai LP-V3に勝っているのに、音は明らかに負けています。中華アンプ恐るべし!

 

今のままでは、正真正銘のジャンクであります。

この音の悪さは、経年劣化によるものなのか?

はたまた、30年前のアンプはこんな音だったのか?

 

・・・さて、どうする?

 


 

2013/05/04

修理再開。

 

元の状態。

 

元オーナーが伝えてくれた故障箇所。

 

ネジを外して、ケースカバーを外します。

 

アンプ内部。

 

かなりの埃がたまっていました。

 

フロントパネルのネジを外します。

 

フロントパネルが外れました。

 

一番の問題点、ガリガリ音が出るボリュームをばらしてみます。

 

ボリュームの品番。ALPS 934B-100KΩ特X2。

 

ボリュームケースは2本のビスで止まっていますが、2本ともゆるんでいました。怪しいです。

 

ボリュームケースは3分割になっていて、後ろのケースを外してみました。

 

可変抵抗器に接点復活剤を塗布し、組みなおします。

 

他の切り替えスイッチ(たくさんある)にも接点復活スプレーを少量ずつ塗布しました。

 

パイロットランプは麦球です。たくさんあるうち、4本が球切れしていました。

 

手持ちの白色LEDで代用します。白色LEDの定格電圧は3.6V、電流は20mAで、電気抵抗はV=IRなので、3.6V=0.02AxRで、R=180Ωとなります。アンプの麦球には直流12.4Vが流れていました。12.4Vで電流0.02A流すと620Ωとなるので、3.6Vに落とすために入れる抵抗は、620Ω−180Ω=440Ωとなります。

 

手持ちの抵抗は、30Ω、51Ω、100Ω、200Ω、300Ωでした。

 

200Ω2個と51Ω1個を直列にしました。実測値443Ω。

 

ソケットから麦球を外す時に、ペンチで引き抜こうとしたら、ガラスが割れて目に入りそうになりました。目の周囲の破片を掃除機で吸い取ろうとしたら、目の玉を吸い込みそうになり、びっくりしました。保護メガネの着用をお勧めします。

 

麦球ソケットに直径6mmLEDを入れると、頭が飛び出ます。このままではフロントパネルが閉まりません。

 

ソケットの中をドリルで掘り下げます。ソケットのゴムが風化して、今にも崩れそうです。

 

電気抵抗200Ω+200Ω+51Ωを直列に半田付けして、LEDのマイナス側に半田付けしました。抵抗を入れる位置は、LEDのマイナスでもプラスでもかまいません。

 

光りました。

 

作業中に配線がショートしていまい、アンプ内の抵抗から煙が出たので、ショート防止のために菱チューブで保護しました。

 

元々麦球に極性がないので、アンプからのリード線はプラスマイナスとも黒でした。LEDは極性があるので、間違えないようにプラス側に長い菱チューブを、マイナス側に短い菱チューブを入れました。

 

パワーランプが光りました。

 

入力セレクタのTAPEが切れていましたが、光りました。左隣の録音セレクタのPHONEと比べると明るすぎました。

 

音楽を聴けるようになりました。音質もすいぶんよくなりました。柔らかい温かみのある音質で、わたし好みです。スピーカーがA系統とB系統を切り替えらえるので、スピーカーの聴き比べも簡単です。

 

30年前に10万円もした高級アンプです。大切に使わせていただきます。

 

旧友よ、ありがとう。

 

2013/05


2年半が経過して、麦球がほとんど切れました。12球のうち残ったのはこの1個だけです。

 

バラします。つまみをつけたままでも、パネルは外れます。

 

白色LEDを付けたところの横にさらに落書きしました。

 

白色LEDは眩しすぎたので、今回は緑色LEDにします。定格2.0〜2.7V 20mA と書いてあったような気がします。抵抗は510Ωを買って帰ったつもりが、点灯しませんでした。抵抗値を計ったら510kΩでした。急きょ400Ωに変更しました。本当は小さい電圧がよかったのに・・

 

510Ω抵抗とLEDを直列して、点灯しました。白色は眩しすぎるので、すべて取り換えます。

 

途中でアルコールが入ったので、すごく時間がかかりました。はんだごてを使うのでアルコールはだめです。よい子は真似をしないように。

 

ビフォー・アフター・アフター

 

2015/11


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